女性を出産によって失ってしまう
女性職員の多くは、適齢期になると出産のため一時的に産休や育休をとることを希望します。
ですがそうした休職制度を利用する以前まではかなり優秀な働きをしていたような女性でも、復職後にうまく周囲と馴染むことができずまもなく退職をしてしまうこともよくあります。
またそもそも休職制度を利用することを選ばず、まっすぐ退職を希望するということもあるようです。
人事部としては、せっかく優れた能力のある女性を出産によって失ってしまうというのはかなりの痛手です。
ですが、人事部の希望と本人の復職方法については折り合いをつけることが難しいこともあり、交渉をまとめることができずに退職という最悪の結果に結びついてしまうこともあります。
復職率が高いのは公務員
そこで、現在復職をしても働きやすいとされている職種とはどのようなものかについて考えてみます。
まず最も復職率が高いのは公務員です。
公務員は言うまでもなく国や自治体の税金による公費によって給与が支払われます。
その財源が安定していることもあって休職期間の長さや給与保障もかなり手厚く、心配することなく自然に休職や復職をしていくことができます。
しかしこれが民間企業になると、休職している時期に起こるその企業内の変化についていくことができないという問題が起きてきます。
特殊な資格やスキルがかならず必要になる職業である看護士や技術職、翻訳などの仕事の場合は、民間企業でも比較的復職がしやすいとされています。
しかし通常の事務職やプログラマー、オペレーターといった仕事になると、1年以上も現場を離れていると取り扱っている業務が大きく変化してしまったり、使っているパソコンなどの機材がまったく一新されてしまうというようなこともあります。
そうした新しく覚え直すという作業はとても心理的な負担が大きいものであり、子育てのための時間制限がある上に年下の新人社員に教えてもらわなければいけないということが、復職を妨げる要因になります。
人事部としては悩むところですが、人情的にはやはり妊娠によって休職をした人たちにはどんどん戻ってきてもらいたいと考えます。
残念なことに現在、出産を仕事をしていく上で障害になると思うかという設問に対して、9割近くの人が「そうだ」とこたえているという現実があります。
復職は人事だけでなく、実際に戻る企業内の勤務課のスタッフ同士の理解がより重要になってきたりします。
その点も考えつつ、人事としては管理職などを配置していかないといけませんね。