やる気を創る新人研修とは

やる気に満ち溢れる新人

最も重要なのは人事採用

人事の仕事のうち、年間を通して最も重要なのは人事採用に関する仕事です。
ですが採用を決定したらそれで終わりになるのではなく、その後実際に入社してくる新人たちに対して最初の研修を行うということもまた同じくらいに重要な仕事となってきます。
新卒で採用をする場合には、いくら優秀な人材といえどもそれまで社会人経験のないピカピカの新人さんですから、まずは具体的な仕事を覚えるよりも先にビジネスパーソンとして動き出していくときに必要になる基本的なマナーやスキルを教えていくことになります。
新人研修は大手企業ならほとんどのところで行っていますが、中にはその研修が厳しすぎるために終了直後にすでに退社を希望するというような例も見られているようです。
新人研修はそれまでの学生気分を断ち切り、企業で仕事をしていくための心構えを教える大切なイベントです。
しかしそこでせっかく希望に燃えている新人のやる気をなくすようなことがあってはいけませんし、かといって反対に甘やかしすぎて仕事を覚えにくくしてしまうこともいけません。

すでに大手企業では新人研修にかなり力を入れてきています。
就職難として企業側が一方的に有利と言われていた時代はすでに終了し、これからは優秀な人材が競合他社に転職していかないためのつなぎとめの方策が求められてきています。
そのためには最初にその企業内の風土やキャリアのしくみを理解してもらうための新人研修はかなり重要な位置を占めます。

新人研修の方法で注目はJAL

大手企業の中でも今新人研修の方法で注目を受けているのが、現在再生中のJALです。
JALではもともとリーダー教育やキャリアアップのための研修が多く行われてきたのですが、特に最近では社員同士のつながりを大切にしたモチベーションアップのための研修が行われています。
中でも注目が「JALフィロソフィ」という企業活動における基本的な思考方法についての研修で、新人のうちにこの土台となる仕事への取り組み方をはっきりとさせていくことで、その後の仕事の仕方もブレずに行っていくことができるようにしています。

特にここ数年の新社会人を対象にしたアンケート結果をみてみると、「できれば一生同じ会社に勤めたい」と回答する人は約6割にものぼっているとともに、「社内で出世するよりも将来独立を目指したい」と回答する人の割合が激減するなど、寄らば大樹の陰的な考えが増えている傾向がうかがえます。
一方で入社後3年以内に半数は辞めるということもデータとして残っており、これからはいかに長く勤めたくなる環境を作れるかが人事としての課題になってきます。